さて、今回は「長幼の序(ちょうようのじょ)」について、お話します。長幼の序とは、孟子によって説かれた五倫の一つで、
自分よりも目上(年齢や経験など)にあたる人に対しては、敬意をもって接し、
自分よりも目下の人に対しては、慈しみの心をもって接するという心構えです。
社会風習上、大切なものであり、守るべき秩序だとおもいます。
また、この心構えは
家庭での親子関係、兄弟関係、教師と生徒の関係、職場においても重要で
子どもの時代にしっかりと親が説いておく必要があると思います。
長幼の序を最初に教える事ができるのは、兄弟関係です。
長子をたてることで、下の子は、子どもながらにも、目上の者を
敬うことを、知りますし、
たてられることで、気持ちが満たされた長子は、下の子に優しくなれるものです。
ここを間違えて、
「お兄ちゃん(お姉ちゃん)でしょ。がまんしなさい。」
「お兄ちゃん(お姉ちゃん)のくせに、どうしてわからないの。」
などのように、上の子だけにお母さまが、厳しい態度をとると、
下の子は、目上の人を敬うことを学ばないばかりか、我が儘になってしまいますし、
上の子は、下の子が憎らしくなってしまいます。
お世話は下の子中心に、心は上の子に向けて、「長幼の序」を持って
子育てをされると 兄弟げんかが、少なくなっていきますよ。
また、家庭においても、お母さまがお父さまをたて、
お父さまが、お母さまを慈しむ(ここが特に大事ですね)ことでも子どもは、
「長幼の序」学びます。
当然、親がお手本となるわけですから、
おじいさま、おばあさまに、尊敬の念を持ってお話されたり、
電車やバスでお年寄りに、席を譲ったり、
学校の先生にも敬意をはらっていただいたり
日常の様々な場面で「長幼の序」の大切さをお子様に説いてあげてください。
「長幼の序」をわきまえた人は、目上の方に可愛がられ、目下の人に慕われ、
それは、“真のリーダーとなる素質”となります。
グローバルな社会、不確実な社会に挑んでいく、これからの子ども達だからこそ
「長幼の序」をしっかりと身につけてもらいたいと思います。