こんにちは。
最近、このコラムを見にきてくださる方が増えてまいりました。
ありがとうございます。
少しでもお役に立てればと思って、実際の自分の経験を元に書かせてもらっています。
そしてさらに今まで35年間、学んできた“人間の脳”や“幼児教育”の内容をつけ加えて、
理論的にまた実践的に書かせていただいています。
皆さまの子育てが、もっともっと楽しいものになりますように。
さて、今回は「絵を描くこと」についてです。
息子が線や絵を描き始めたとき、私が意識的にわが子にしてあげたことはただ一つ、
「描くよろこび」を感じることのできる環境を与えてあげたことだけです。
いつでもどこにでも絵を描けて、汚れてもいい洋服を着せ、かじっても害のないクレヨンを選んで
「描くよろこび」を感じることのできる環境を用意してあげました。
部屋いっぱいに大きな模造紙(普通の模造紙、4枚ぐらいをベニヤ板2枚に貼りつけたもの)を広げておきました。
家の中が汚れることなど気にせずに、万が一模造紙からはみ出して描いたとしても、
畳を取り替えればいいんだぐらいに思っていました。
フロアだったら、あとで拭けば簡単に落ちますよね。
子どもを育てていくには、時に大胆に、物事を大きく見る目が不可欠だと思います。
模造紙に描き飽きたら、次には家具屋さんで大きな接客用の椅子が入ってたような
ダンボールをもらってきて、部屋の中に置いてやりました。
その箱をお家のように組立て、外側や内側、上にも横にも下にもあちらこちらに絵を描くことができ、
おまけにお家ごっこもできて大いに喜んでくれました。
むちゃくちゃでも良いのでどんどん線を描かせましょう。
そうすると「十分な筆圧」と「十分な運筆力」を身につけることができます。
これらの力が十分についていないと、のちのちひょろひょろな文字を書くようになったり、
プリントをしたがらなかったりのひとつの要因になることがあります。
年齢があがるにしたがって、だんだんと紙の大きさを小さくしていけば、はみ出して描くこともありませんでした。
3歳にもなれば、すっかり天才画家です。
私が言うのもナンですが、うちの子どもは二人とも、とてもすてきな絵を描きました。
子どものやる気を育てるには、やりたいこと、好きなことをトコトンやらせることが一番だと思います。
誰にも指図されず、楽しく夢中になって取り組める環境を用意すれば、
子どもは自然と絵を描くことが大好きになります。
もし、絵を描くのが嫌いなお子さまがいたとしたら、お父さまが一緒になって絵を描いたり、
色を塗ったりしながら、いろいろな描き方を教えてあげることが必要でしょう。
お子さまは、お父さまの絵を真似て描くうちに、だんだんと絵を描く楽しさを覚えていきます。
そして描いたあとには、必ずしっかりとほめてあげることでお子さまのやる気を引き出しましょう。
家族で美術館へ出かけたり、名画を見せたりすることも大切です。
楽しさから向学心は始まります。
楽しさを味わえないものに対して子どもは興味を失い、好きになれないのです。
ついつい
「あっ、はみ出しちゃダメでしょ!」
「汚れちゃったじゃない」
「こんなところに描いて!」
なんて言われてませんでしょうか?
時には大胆に思いきり楽しめる汚してもいい環境を用意してあげてくださいね!!